LegalOn Technologies Engineering Blog

LegalOn Technologies 開発チームによるブログです。

EMギルドでGoogleとのスペシャルセッションを行った話

こんにちは、LegalOn Technologies で EM (Engineering Manager) をしている時武と申します。普段は現場寄りの EM としてチーム開発の取り回しをしつつ、チームが抱える様々な課題を解決するのが仕事です。

先日当社で CRE (Customer Reliability Engineer) をしている長内さんから EM ギルドで会社の「数字」について学び直した話 が投稿されましたが、LegalOn Technologies の EM ギルドでは EM に求められる知識や素養を様々な切り口で情報交換できるような活動を行っています。

今回はその一環として、当社でもヘビーユースさせていただいている Google Cloud のご厚意で場を設けていただいた、エンジニアリングマネジメントに関するスペシャルセッションの様子をお届けします。Google のエンジニアリングに関する考え方を学びつつ、LegalOn Technologies の現状と照らし合わせていま我々がどういう状態なのか、これから何ができるかを話し合うよい機会となりました。

Googleのマネジメントとの向き合い方を学ぶ

第1部では、まず Google Cloud の西岡さん( X: @no_24oka )から「 Google の働き方とマネジメントとソフトウェアエンジニアリング」に関するレクチャーとして、People と Engineering のそれぞれの側面から Google のマネジメントを解説していただきました。

イノベーションのためのマネジメント

話の冒頭では、マネージャーとリーダーの定義について触れられていたのが印象的でした。近い文脈で語られることも多い両者ですが、これらの区別を意識しながらチームと向き合うことは、どんな環境でもコンスタントに成果を上げられる EM になるために必要な知識だと感じています。そのうえで、People 文脈でイノベーションを起こすための組織マネジメントの手法が語られました。Google ではとにかくイノベーションを大切にしており、イノベーションをチームで・持続的に起こすことに徹底的にこだわったマネジメントを行っているそうです。

Google と言えば無料の社食、ジムなど何でも揃っており居心地の良いオフィスを思い浮かべる方も多いと思いますが、こういった普通の会社には過剰投資に思えるような設備もイノベーションを生み出すための試行錯誤の結果であることを理解し、とても腑に落ちました。逆に言えば、そのようなビジョンがない状態で形だけ真似をしても、投資に見合う効果が得られることはほとんどないでしょう。

設備だけではなく制度やツールの側面でも働きやすさを引き上げ、イノベーションを推進するような工夫が随所に散りばめられており、イノベーションを実際に起こすだけでなくそれを支える仕組みも含め、すべてが Google のカルチャーの根幹となっていることを感じられました。

例えば社内向けのシステムはメンテナンスコストが高く、少しでも事業にリソースを寄せたいスタートアップではあまり投資対象になりづらい傾向があると思います。しかし Google では社内システムを作り込むことで従業員体験を高め、仕事に集中できるような環境を作り出されているあたりが流石トップクラスのテック企業という印象でした。

特に Google Workspace が元は Google 社内向けのシステムとして開発されたというエピソードは目から鱗でした。いまや世界中の企業でオフィススイートとして採用され様々な分野の業務を効率化し、支えているのはまさにイノベーションだと思います。

開発者体験を高めるための取り組み

People 文脈の次は、Engineering 文脈でのマネジメント手法の話題に移りました。Google のソフトウェアエンジニアリングとの向き合い方については、オライリーから「Google のソフトウェアエンジニアリング」というドンピシャなタイトルの分厚い本が発売されています。

我々も本の情報はある程度キャッチアップした状態でセッションに臨みましたが、書いてあることは理解したがどのように実践されているのか?が気になったメンバーは多かったようで質問タイムが非常に盛り上がっていました。

個人的に印象的だったのは開発ツールも内製されているものが多いという点でした。普通の会社では開発ツールを内製しても徐々にメンテナンスされなくなり形骸化する・負債化することが多いと思います。それでも内製ツールがたくさん使われているということは、Google ではソフトウェアエンジニア自身が開発者体験を本当に大切にする文化があり、それらのツールから実際に開発者体験の向上を享受できているのだろうということが感じられました。

LegalOn Technologies では開発者が150人規模になってきており、どのように開発者体験や開発効率を向上させ、体制を維持・スケールさせていくかは喫緊の課題の一つです。今回 Google のようにグローバルで開発をスケールさせている企業から手法を学べたことは、今後の開発組織のあり方を考える上でとても参考になりました。ただし、銀の弾丸になるようなものではなく、あくまで開発組織としての文化が土台にあったうえでテクノロジーを駆使して地道に仕組みづくりや組織内の啓蒙を進めていく必要があるのだと感じました。

グループワーク

第二部では、グループに分かれて「人」「組織」「ツール」という切り口で LegalOn Technologies の開発組織の課題点をディスカッションし、どのようにすれば改善できるかのアイデアを出し合いました。

各グループで様々な視点から課題が洗い出されていたのは興味深かったですが、概ね社内で目下解決しようとしている課題が共通項として出てきていました。今回のセッションでは管轄範囲の異なるマネージャーもまとめて参加しているため、各レイヤーから今の開発組織がどのように見えているのか?を垣間見ることができたのも新鮮でした。

人・組織・ツールという3つの軸で組織の現状をグループディスカッションしました

セッション後の交流会

セッション後はオフィス内のレストランにて交流会を開催していただきました。豪華な軽食とドリンクまでご用意していただき、渋谷の夜景を眺めながら今日のセッションのことや Google Cloud のこと、LLM のことなどで話が弾みました。

イノベーションを起こすための居心地の良いオフィスを実際に肌で感じることができ、とても有意義な夜でした。

日本オフィスらしいアートがあしらわれた壁の前で記念撮影させていただきました

おわりに

今回は Google のオフィスにお邪魔して、Google のマネジメントについて学ばせていただいた話をお送りしました。私個人としても Google のマネジメント手法を中の人から直接聞くことができたのは非常に刺激的で、良い経験になりました。

ちなみに LegalOn Technologies は2024年4月から本社を渋谷サクラステージ SHIBUYAタワーに置いていますが、Google のオフィスが入居している渋谷ストリームとは線路を挟んで向かいになっており、ドアツードア5分くらいでオフィスに着くことができました。

今後も同様の交流の機会を頂けるとのことで、早くも次回のセッションを楽しみにしております。改めて今回はありがとうございました!

エントランスにいる様々なドロイド君がとても可愛かったです

謝辞

とてもためになるレクチャーをしていただいた Google Cloud の Customer Engineer Manager 西岡さんをはじめ、当日のセッションをサポートしていただいた Muramoto さん、Akiyama さん、Takano さんには大変お世話になりました。社内でも CTO の深川さんが自ら調整に奔走してくれ、スムーズに当日を迎えることができました。心に残るセッションと素敵な交流会を企画していただいた関係者の皆様に心からの感謝を送ります。本当にありがとうございました!

LegalOn では一緒に働く仲間を募集しています!

今回は Google とのスペシャルセッションで、Google のマネジメント手法について色々と学ばせていただき、自社のマネジメントに関してディスカッションを行った話をお送りしました。LegalOn Technologies の EM ギルドでは社内外問わずマネジメントに関して積極的に学び議論できる場を提供し、EM 全員のスキルレベルを上げていく取り組みを行っています。

提供しているプロダクトが増え、会社も開発組織もどんどんと拡大する中で組織の課題解決をするのはとてもやりがいがある仕事ですし、キャリアアップに繋がる経験が積める職場だと思います。EM の経験があって次の活躍の場を探されている方だけでなく、これから EM としてのキャリアを目指されている方も大歓迎です。ぜひ一度お話を聞きに来ていただけると幸いです。

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