はじめに
こんにちは、株式会社LegalOn Technologies MLエンジニアの藤田と申します。GenAIチームに所属しており、現在は契約書レビューシステムの開発を行っています。
この記事は、2026年3月9日~3月13日に行われた「言語処理学会第32回年次大会(NLP2026)」 の参加記録となります。当社では1件の学会発表を行いました。
本記事では、その参加の様子や発表内容をご報告します。
学会について
会場はライトキューブ宇都宮でJR宇都宮駅から徒歩3分ほどであり、新幹線を降りてすぐに会場まで歩いて行けたのが印象的でした。

発表した論文
以前、こちらのブログでも紹介した「LegalRikai: Open Benchmark」について発表しました。法務実務を模した日本語のLLM向けベンチマークデータセットの提案を行う内容となります。 詳細については、以下のプレスリリース、もしくは投稿した論文をご参照ください。
➢ 投稿した論文:LegalRikai: Open Benchmark - 法務ドメインの日本語ベンチマーク
法ドメインにおけるNLPの研究開発の需要が高まっている影響もあり、多くの方にポスターを見にきていただき議論させていただくことができました。お越しくださった皆様、ありがとうございました。
日本語の法ドメインのデータセットを作成する取り組みについて肯定的なコメントをいただき、他にもこのようなタスクがあると嬉しい、といった提案などもしていただくことができました。
NLPで発表した際に使ったポスター

気になった論文
「NLP2026」の中で特に気になった論文をいくつか紹介します。
- 多言語文埋め込みの意味と言語の分離のための損失関数の分析
- 意味と言語の分離という課題に対して、要素内制約・要素外制約という観点から損失関数を整理しており、エンコーダ由来の埋め込みとLLM由来の埋め込みで傾向に差が見られたのが興味深かったです。
- 物語性は大規模言語モデルの長文脈記憶を安定化させるか?
- 人間は覚えたいものに物語性を持たせることによって人間の長期記憶が安定化するので、それがLLMにも適用できるかを調べるという仮説の設定が面白いなと思いました。また実験結果も意味的に競合する干渉が存在する場合には一貫して想起する頑健性が向上していることから仮説がある程度正しいことが示されており、興味深かったです。
- 法令知識グラフ構築のための法令文における参照関係抽出手法
- 参照関係を抽出する際にニューラル的なアプローチではなくルールベースで十分だと判断して、高い性能で検出するアプローチを提案するのは理にかなっていると思いました。最終的には法令知識グラフの構築を行うことがゴールだと思うので今後に期待したいです。
おわりに
自然言語処理は、弊社が提供する契約書レビュー機能やAgenticなサービスにおいて重要な基盤技術です。本学会への参加を通じて、自然言語処理分野における最新の研究動向や技術的進展について理解を深めることができました。
今後は、今回得られた知見を社内で共有するとともに、契約書レビュー機能や関連サービスの品質向上、ならびに新機能の検討に活かしていきたいと考えています。
仲間募集!
LegalOn Technologiesでは共に働く仲間を募集しています!ご興味がある方は、以下のサイトからぜひご応募ください。皆様のご応募をお待ちしております。